第61話

「大丈夫かもしんねぇよ?」


「え?」


「俺とオヤジしか喋れねぇんだろ?だったら、俺だけさわれるかもしんねぇ」


「⋯」



蛍だけ?



優しく微笑む蛍は、「俺の事、嫌いじゃねぇだろ?」と、呟いてくる。



嫌いじゃない。むしろ―――⋯


すごく、今日だって、楽しみだった。



「ほたる⋯」


「さっきの話聞いて、マジで守ってやりてぇって思った」


「⋯」


「湖都」


「⋯」


「俺の女になってくれよ」



蛍の彼女に⋯。



なりたい。


だって私も、校門前でお母さんを待っている時、ずっと蛍を探すぐらい、蛍の事が気になっていたから。

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