第3話

夜の時間帯は、もう1人で外へ出れなくなった。いや、誰かがついていても出れない。




カウンセラーの女性が、何かを喋る。


私はそれをぼんやりと聞く。



聞いて


聞いて


聞いて。




「―――今日はこれで、終わりましょう。一緒にお母さんの所へ行きましょうか」





気づけば、終わってる。



もう何回目か分からないその話。私はその内容をひとつも覚えていない。


だって、気づけば終わっているから。



私はいつの間にか、家に帰っているから。

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