第5話

「もう私たちも2年生だねー。なんかあっという間だったなぁ。廻子さん結婚しちゃったから、その分長君からパワー貰わなきゃ」

「その分じゃなくてそもそも長君を潤滑油にしなさい!」

「潤滑油じゃエンジンを動かせないよ!廻子さんはホントに重要だったんだなぁ」

「私のニュアンスの違いを含んで上手いこと言うな!口だけは達者になったわねー」

「結衣の言い訳はこの一年で散々聞いたからね。嘘三昧だったよ」

「悪かったわよ。でも九瑠璃の為にはなったはずよ」

「どうだろう。長君は浮かなかった!!」

「どうしてもウィンガーディアムレヴィオーサーを出したいのね。長君居ないのに話題に出すとは成長ね」

「そうなの?長君に変な顔されるかな?最近は結衣みたいにツッコミを結構入れてくれるようになったから」

「どんな理由なのよ?まぁでもボケと貴方が解釈できる事案が出来ただけで良いことなんだと思う」

「また解るような分からない様なこと言わないで!九瑠璃はちゃんと成長してます!!」

「成長してないとは言ってないよ。九瑠璃のウィンガーディアムレヴィオーサーに対する拘りが異常者のそれで心配になっただけ」

「異常かな?長君は笑ってくれるよ?結衣にはまだ早いのかな?」

「勝手にマウント取らないで!少なくとも九瑠璃には早い事がわかったわ」

「何それ?九瑠璃は浮かないの分かってるつもりだったんだけど、、」

「もう良い。マジックでも勉強してみれば?九瑠璃がやったら宇宙人扱いされるかもね」

「え?アレやってる人って宇宙人じゃないの?九瑠璃はマジックの星現るって聞いたことあるよ!結衣も見てたんじゃないかな?名前なんだっけ?」

「もういいわ。疲れた。廻子さんと結城さんの挙式の服はもう買っておいたからね。九瑠璃連れてくととんでもなく大変だから」

これで話を切れると結衣は思うのだった。勿論思惑通りだったのは言うまでもないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る