第67話
いいだろう、かかってこい。
かか……
「「「「「「「…………」」」」」」」
ダメだわ。
まずあたし、ゴリラには勝てないわ。
無念。
渋々戦闘体勢を解く。
そして黙る。
どうやら、あたしは黙っていた方が話が進むようだ。
いいんだ……。
いいんだ、あたしなんて居ない方が。
まさかこんな所でイジメにあうなんて……。
いやいや、あたしが悪いんだ……うん。
の、の、の、の、の、あ。
イジけて地面にたくさんの、のを書いていたら
「マツリにキノコが生えそう」
と、どこかワクワクした様子でリリ嬢。
なんとっ、あたしにキノコが!?
……松茸か?
「じゃ、行くか村」
「「えっ!?」」
ケロリと言ってリンが歩き出す。
ちょっとそこまで的な言い方だったな。
そら、村人1、2も驚くわ。
「行こう」
「速ぇなっ」
行くと聞いた瞬間、あたしはリンと並んで歩き出したよね。
いざ、呪われた村へってね。
俺より後ろに居たよな?なんてガラがゾイドに聞いてる。
「ふっ。逃げ足だけは速いなお前ってよく言われる」
ドヤ顔で言うも
「褒められてないから、それ」
「!?」
リリ嬢から衝撃の一言。
マジで!?
褒められてるとばかり……。
「本気かよ!?」
少年があたしのショックをまるっと無視して叫ぶ。
少年よ……。
「逆に聞くが」
「……何?」
「……」
リンの言葉に警戒する二人。
なんだ?なんだ?
「お前達はいいのか?そんな簡単に生まれ育った村を捨てて」
「「っぅ」」
少年は歯を食いしばり下を向いた。
少女は泣きそうな表情で上着の裾を握りしめた。
ふむ。
難しいことはわからん。
だから
「行こうよ、村」
話はそこからっしょ。
「いや、話を長くしてるのアンタだから」
「……おおぅ」
なんも言えねぇ……(自覚あり)
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