第65話

そんなっ。


そんなロールプレイングゲームみたいなことある!?



あっ、ロールプレイングゲームだったわ、コレ。



しっかし呪われて雨が止まない村って。



ホラー要素まであったのか、このゲーム。




よし、かかってこい。




「え?なんでマツリさん、臨戦態勢なんですか?」



『火、噴く?』



「まだいい」




あたしは腕に乗ってるイフィートの鼻の辺りを撫でる。



武器もないあたしには、アンタだけが頼りなんだから。



力を蓄えといてもらわないと。



ホラーで最もポピュラーなゾンビとかにも火は有効だしね。




「止まないって、1度もか?」




ガラが聞く。




「っっ」




男の子が突然ヌッと出てきたガラに驚き、女の子を後ろに庇ったままジリジリと下がる。



わかる、わかるよその気持ち。



ムキムキのゴリラ……恐いよね!!



がしかーし!!



せっかく見つけた第一村人、第二村人だ。



もっと情報を貰わなければならない。





「落ち着け、少年よ」



「いや、お前が落ち着け。まずなんで前に出てきた」




リンがツッコんでくるが、フル無視。





「このゴリラはとても優しいゴリラなんだ!!安心してくれていい!!」




こうっ、大総督にでもなったかのように振る舞ってみた。



胸を反りあげて言ってみた。




「「…………」」



「マツリ」



「……ガッ、ガラ……さん?」




ゴゴゴゴゴ……とガラの背中から、ただならぬオーラが……。



そしてあたしの前に立つと笑顔で




「ちょっと後ろで話すか」




と言った。




「いや、礼などよいよ。ガラさん」



「……フフ。礼だといいがな」





!!??




にぎゃあああああああっ!!



ガラに首根っこを掴まれたあたしは、またしても皆の後ろへ連れていかれたのだった。



そして長々とガラの説教をくらう羽目になったのであった。



なして??



フォローしただけなのに。



ね、イフィート。



とイフィートを見ると寝てた!!



健やかに寝てた!!



いや、休めって言ったけれども!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る