第3話
「う"う"う"う"……」
いだい……。
少し歩くだけで、もう泣きそうだ……。
あの後、なんとか直立になれたあたしは、ソロソロと下校中だ。
先生に「送ってくれてもいいんだよ!?」と何故かツンデレ風に言うも「さっさと帰れ、直立」ってツンツンで返されたからね。
あたしの名前は直立ではないぞ!!
やれやれ、あたしの周りの人間達は冷たいな。
冷たすぎる。
この悲しみは『ファイナル・クエスト10』で癒すしか……
「ねぇ、おかあさん。なんであのおねぇちゃんあるきかたがヘンなのー??」
「こらっ!!見てはいけませんっ!!」
小さな女の子が指差してきたと思ったら、お母さんが手を引いて逃げるように横を通り過ぎていく。
ごるぁっっ!!
母親っ!!
見てはいけませんってなんだ!?
人を変人みたいにっっ。
ただちょっと、ただちょっと、ギックリ腰を患ってるJKだろうがっ。
傷ついたわ……。
傷ついてる途中だわ……。
母親にギックリ腰の呪いをかけてやろうかなんて真剣に考えてたら、いつものスーパーに着いた。
これからここで徹夜の準備をしなければならない。
「あら、マツリちゃん。今日は……やっちゃったのね」
すごく良く通うから、仲良くなったパートのおばちゃんが話しかけてくれる。
「おばちゃん……これはもうあたしの一部さね……」
「そうね、そうね。ホラこれ使いなさい」
事情を瞬時に察してくれた、出来る良い女、加代5……
「年は言うんじゃないわよ!!」
「いだぁっ!?」
年をバラそうとしたあたしは制裁を食らう羽目になった。
死ぬ……。
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