序章

第1話

7/20 終業式。



今日は待ちに待った日!!



待ちに待った日なのだ!!



夏休み??




いや、うん、それも待ってたといえば待ってたけどもっっ


















違ーう!!




あたしが待っていたのはっ!!




「マツリッ!!何してんだ‼早くしろっ!!このクズでノロマの則治の子っ!!」



「親父の名を出すなっ!!てか、早っ、早いなイオリ、ちょっちょっ待……」



「待てるかっバカ者!!貴様の『ファイナル・クエスト10』への愛情はそんなもんかーーっっ!!それにはあたしは一ミリも興味がないがな!!」




あたしの名前は羽柴祭。



今年、高校生になったばかりだ。




趣味はゲーム‼


特にRPG(ロールプレイングゲーム)!!



我が命と言ってもいい!!



三日徹夜なんて当たり前。




今までの最高傑作のRPGは『ファイナル・クエスト6』!!ストーリー、ミニゲーム全てが良かった!!



今日はその『ファイナル・クエスト』シリーズの新作が出るのだ‼




6を越えると噂されてる10がっ!!



これを待ちに待ってたわけだ!!




そして終始、偉そうなこの女は、徳田庵。



生まれた日が一緒。


家も隣……の切っても切れない、離れることのない幼なじみ。




アイドルみたいなキラキラ容姿をしてるのに、滅茶苦茶アイドルが大好きだというアイドルオタクで。



こいつもゲーム大好きだが、もっぱら育成系。



デレデレの表情でアイドルを育てるゲームをする奴である。




見た目アイドル、中身おっさんの残念な奴である。

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