第22話




「いや、どういうことよ……」



玲美が頭を抱えている。


玲美とは何だかんだ大学入学時からの付き合いになるが、いつも冷静な彼女がこんなに困惑しているのは初めて見たかもしれない。



「何で城山琉偉がいるわけ?意味が分からない」


「だから、説明したじゃん。こいつ私のガチ恋オタクなんだって」


「え?これ夢?私夢見てる?」



目の前に立つやけにスタイルのいい高身長男の周りをぐるぐる回りながら観察する玲美。


驚くかなと思って“紹介したい人がいる”と言って玲美の家に連れてきたのだ。


玲美のご家族がいたらさすがに騒ぎになると思い、家族がいない時間帯を狙って来た。



「俺嬉しいよ……。まさか俺のこと、友達にまで紹介してもらえるなんて」


「玲美の家は撮影に使う時あるから、遅かれ早かれ関わることにはなるだろうしね」



というか玲美に“城山琉偉に撮影協力してもらうことになった”なんて口で言っても絶対に信じてもらえないだろうから実物を連れてきたかったのだ。



「現実感が希薄だわ……。だって私、こいつが主演で出てる月9ドラマ昨日観たもの」


「観てくださってるんですか?ありがとうございます」


「うわっ……」



玲美の反応に思わず吹き出してしまった。


そりゃこんなキラキラスマイル向けられたらうわってなるよな。無駄に顔がいいし。

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