第20話

「ゆきちゃん、カメラマンほしいって言ってたでしょ?」


「は?……え?そのために?」



私がさっき路上に落としたスマホを拾い上げて私に渡しながら、薄く笑う琉偉。



「俺をカメラマンとして雇ってよ。」



撮られる職業の琉偉が、今日本中の俳優の中でおそらく一番撮られているであろう琉偉が、私を撮りたいと言う。




「この世界の誰よりも、ゆきちゃんを綺麗にエロティックに撮る自信、俺にはあるよ」




――――利用価値がある、と思った。





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