第65話
「熱は下がったみたいだな。どうだ、体調は?」
「ああ。だいぶ楽だ」
「これに懲りたら、もう無茶はしないことだな。今の若は危なっかしい。少しは心配している周りの事も考えろよ」
その言葉に口元を歪める。
「ハッ、周りなんてどうでもいい…」
「今のお前を見たら、夢の中の子にも嫌われるぞ」
その言葉にハッとして、坂口を振り返る。
「…お前、なんで…?」
「寝言言ってたからな。幸せそうに笑ってたな、お前」
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