第42話

腕の中で眠る小さな体を抱きしめながら、愛おしいという言葉はきっとこんな時に使うのだろうなと思う。




「…イズミ…」




眠るイズミの名前を呼ぶ。別に起こすつもりはない。ただ…

その名前を呼びたいだけ。




溢れる思いをその名前に込めて、眠っているお前に伝わればいい。




眠りながらも緩むその口元に、




「…ゆうき…?」




寝ぼけながらも返事をするその柔らかい声に。




手に入れたものを実感する。

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