第9話

女を見つけたあの日から、俺はどうしようもなく孤独を

感じた時は、高校生が必ず通るあの桜の並木道に足を運ぶようになっていた。




今は10月、満開だった桜は散り、

花びらの変わりに落ち葉が散る。




頭では馬鹿なことをしていると思っていた。なのに…




気付くといつもそこに来ていて、目は名前も知らない女をさがしてしまう。




その姿を見ると、

意味のわからない感情に対しての苛立ちと困惑…。同時に優しさで胸がいっぱいになった。




そんな俺の存在になんてまったく気付かず、いつも瞳を輝かせ、羽が生えているような身軽さで並木道を歩いてく。

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