第28話

「どうやら、俺は妹にはめられたらしいな…」



妹?

泰三に妹なんていたの?

それにはめられたって…



落ち着いてきた頭の中に疑問が浮かび上がった。



今度はしっかりとした視線を泰三に向ける。



精悍な男らしい顔を見ると、胸の内から色んなものが込み上げてきた。



愛おしさや苦痛や後悔。



なにより、顔にある傷を見て、後悔がこみ上げる。



その傷は、

9年前に私を庇ったことで付いた、一生消えない傷だった。

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