穏やかな人
第12話
私にその話が転がり込んで来たのは、それから一週間程経った頃だった。
「結衣もそろそろ28なんだから、取り敢えず一度会ってみなさいよ」
そう言って母親が渡したのは、一枚の写真と、有名なホテルの名前と日にちと時間が書かれた紙。
いつまでも恋人を紹介したりしない私に、母親が持ってきた見合い話。
独りになった後その写真を開いて見れば、穏やかな優しそうな顔をした男の人が写っていた。
「はぁー」
写真を手に、重く溜め息をはく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます