第12話
ネット上で『shadow』として有名だったあたしの正体を知るのは、シュウだけ。
表舞台に出たくないあたしの手足になってくれている。
「それで、情報は?」
シュウの声に、あたしは黙ってカバンの中からディスクを取り出し、テーブルの上に出した。
「何か、弱みになりそうなもの見つかったか?」
受け取ったディスクを顔の前に掲げたシュウが言った。
あたしは頼んだコーラを一口飲む。
「ソイツ、薬に手を出してる。その情報を持って警察に行くなり……、どうやら薬をやってることを隠しているみたいだから、本人に接触して脅してやれば、向こうは引くと思う」
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