第9話

待ち合わせの店に入ると、入り口のよく見える場所に座った。



やることもなくボーっとしながら窓の外を見ていると、10分ほどして、ケーキ屋の箱を手に持ったシュウが入ってきた。



それをみながら、これほどケーキ屋の箱と似合わない男もいないんじゃないかと思った。



シュウは、身長180を超える長身で、しっかりと筋肉のついた体に、暗い色のジャケットを羽織っている。



金色の髪が囲うのは、凛々しく整った顔だ。



それはいつ見ても、野生の動物を連想させた。



「悪ぃ。遅れた」

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