『だから、揉め事を避けるためにも、弱みを握った方がいいんだ』

「……そんなに最悪な男なの？」

『ああ。とりあえず調べてみてくれよ。ソイツの情報を俺に渡すかどうかは、咲が決めていい』

シュウの言葉に、あたしは電話を繋げたまま、カバンの中からノートパソコンを取り出し、店にある無線LANを使ってネットの中に入った。

「男の名前は？」

『塚本崇（つかもとたかし）。繁華街にある『killer』ってクラブによく出入りしてる』

……killer、ね。

悪い噂で聞き覚えのあるクラブに顔をしかめながらも、思考の速さでキータッチする。

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