第5話

「シュウ。どうしてあんたはいつもタイミングが悪いの」



挨拶代わりに悪態をつくと、電話の相手は気にした風もなく笑った。



『なんだ―?男とでもいるのかぁ?』



「ふざけてんの?切るよ?」



冷めた声でそう言うと、すぐに焦った声が聞こえてきた。



『嘘!嘘だって、咲ちゃん。切らないで!』



「……」



『咲様!』



「……よろしい。で?なに?」



先を促すと、電話の向こうでブツブツ言っていたシュウが頼み事を切り出した。

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