第9話
「紫音、私らの事は気にせんでえぇで?」
ほら、ニヤニヤ笑ってるやん。
「き・・・気にするし。ほんま、影虎、無理やから。」
恋季を一瞥してから、影虎に視線を向ける。
力強いねん!
そんなに抱き寄せるな。
影虎に恨めしげな視線を向けたら、
「・・・チッ。」
盛大な舌打ちと共に解放された後頭部。
ほっと息をつくうちを他所に影虎はうちの膝から起き上がると、妖艶に前髪を掻き上げた。
後頭部を押さえてた腕はうちの肩を抱く。
ほんま、大阪から帰って来てからの影虎はスキンシップが激し過ぎる。
恋愛初心者のうちの心臓には相当な負担がかかってる事をわかってや。
「紫音。」
うちの名前を呼ぶ影虎の低い声が好き。
回避出来たことで油断してたうち。
「ん?」
どうしたんや?と隣と影虎を見上げた瞬間、勝ち誇った様に口角を上げた影虎の顔が近付いた。
あかん、と思った時には距離はゼロになってて、影虎の少し冷たい唇がうちのそれと重なってた。
「・・・っ・・・んぁ・・や、やだ。」
抗議しようと微かに唇を開けば、そこからスルリと影虎の舌が入り込む。
「・・・ん・・や・・。」
口内を這い回る舌に、体の力が抜けていく。
恋季が見てるのに・・・。
啓太も見てるのに・・・。
体が高揚していく。
上手く出来ない息継ぎに苦しくなって影虎の胸元を両手でギュッと掴まった。
ふっと満足げに目尻を下げた影虎は、うちの唇をようやく解放してくれた。
離れる間際にチラリと舌を出して、うちの上唇をペロッと舐めた。
「なっ!」
真っ赤な顔で睨み付けたうちに、
「誘ってる様にしか見えねぇな?」
と憎たらしい笑みを浮かべた。
か、か、影虎の馬鹿ぁ~!
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