第8話

恋季にからかわれて焦ってるうちを見て啓太はクスクスと笑う。






なっ・・・なんやねんな、二人して。





「しおちゃん、顔赤いよ?」




啓太もいちいち突っ込まなくてえぇから!





「・・・っ・・。」





ニタニタと笑う恋季と、爽やかに微笑む啓太を前に、うちの体は赤く色付くばかりやった。








恥ずかしさにあたふたしてると、いつの間にか下から伸びてきた手がうちの頬を優しく撫でた。






「ふへっ?」



突然の事に驚いて漏れでる奇声。






視線を落とした先には、眠っていたはずの影虎がぱっちりと目を開けてうちを妖艶な瞳に写してる姿。






「俺以外に色気振り撒くんじゃねぇ。」




寝起きの掠れた声はいつも以上に低くて、背中がゾクッとした。





途端にキュンと苦しくなる胸。





あぁ、うちはほんまに影虎に振り回されてる。





影虎の言葉や仕草一つに、うちの心と体は反応してしまう。










「お前は俺だけ見てりゃいい。」




さっきまで頬を撫でていた手が後頭部に回ったと同時に引き寄せられる。




近づくのは影虎の唇。





「なっ・・・・な、何するんや!」



焦るうちに、




「キスさせろ。」




平然と言い放つなぁ!






「む、無理。無理無理。」



影虎の手から逃れ様と首を動かして抵抗する。





「ああ゙?」



不機嫌になる意味が分からんわぁ。








恋季も啓太もおるのに、何を考えてるんや!







いや・・・・・・元々、TPOを考えへん男やったと思い出す。







「ほ、ほんま無理やから。」



両手を伸ばして影虎の胸を押し退け様とするも、




「拒否んな!」




と、睨まれた。






イヤイヤ、拒否るやろ?普通。





恋季の前でこれ以上羞恥をさらしたら、末代まで冷やかされ続けるに違いない。




なんとしてもそれは回避せんとあかん。

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