告白。

第55話

「優、来年の秋祭りは一緒に行こうね」



小学5年の秋


その年の秋祭りは、大雨で中止になった。


着れなかった浴衣を着て


来年は一緒にお祭りに行こうと言った


弘人が私にくれた約束


だけど


結局その約束が果たされることはなかった


小学6年のあの日


お祭りの神社には行けず


私は公園のベンチで、段々と落ちていく夕日を眺めてた


1年前に買ってもらった浴衣も


結局、一度も着ないまま。



「優っ」



あの日


私のそばにいてくれたのは



『…達也。』



やっぱりあなただった



「探したよ。クラスの奴らに聞いても祭り来てないって言うし。」


『…』


「どうしたの?」


『なんで?なにもないよ。』


「何もないって顔してない。」


『…』

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