あの日。

第1話

「ごめんね、優。」


『どうしたの?』


「俺、明日引っ越すんだ。」


『…え?』


「親が離婚するんだって。だから…母さんに着いて行くことになった。」


『そんな、急に…っ』


「本当に…ごめんね。きっと…達也がずっと、そばにいてくれるから…。」


『…』





ピピピピッピピピピッーーー−


『んっ…』


「優、遅刻するぞ。」


『ぁ…おはよ。』


小学生の頃


大好きだった幼馴染の弘人と


初めての恋をした


まだ、恋人なんて関係になるには子供すぎたけど


ずっと一緒なんだと思ってた


二人でずっと一緒に


ゆっくりと大人になっていくんだと


だけど


5年生の時


私たちの別れは


突然訪れた


穏やかで優しかった弘人


辛い時はいつもそばにいてくれた


彼がいない人生なんて


考えられなかった…


あれから5年


私は


高校生になった。

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