第78話

低い声で言われたけど、あたしは笑って祐樹を見上げた。



「そんな声出しても駄目だよ。祐樹が楽しんでるのはわかってるんだから」



祐樹の胸を叩きながら言うと、祐樹は可笑しそうに笑い始めた。



「今回は特別だ。お前に接客してたのがリョウだったからな。違う男なら殺してる」



笑いながらも半分は本気で言われた言葉に、あたしは肩を竦めた。



「ん?どうした」



表情を曇らせたあたしを、祐樹が覗き込むように尋ねる。



近付いた祐樹の顔を、至近距離から目を細めて見つめた。



「亮太兄ならよくて、なんでほかの男は駄目なの?相手はホストでしょ?」

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