視線の先にはクラブから出てきたらしいスーツ姿の祐樹と、強面のいかにもな男達。

それだけなら問題ない。

しかし、問題は、今にも歩きだそうとしている祐樹の腕に絡みつきながら引き止めようとしている着物姿の女の人。

誰…？

祐樹…、何してるの？

その女の人が綺麗で泣きたくなる…。

なにより、祐樹が女の人の腕を外そうとしながらも笑っていることに心が痛んだ。

「あれは…、見回りだね。新城さん、仕事してんだよ」

隣でトモが説明した。けど、あたしの視線は祐樹に触れる腕から離れない。

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