第60話

「わかんないけど…、気にすることないよ。飲めばそんなこと気にならなくなるって!」



励ますようなトモの声に頷いて、小さく笑いながら歩き出した。









それを見たのは、

それから10分ほど経った頃。



歌舞伎町の中でも一番賑やかな辺りを通った時。



「あ…」



トモが漏らした小さな驚きの声に、あたしは横を向いていた視線を前に戻した。



何も考えずにトモが驚いたものを探して視線をさまよわせたあたしは、頭が真っ白になって固まった。

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