第32話
□これは虎Ⅰの『最悪な出来事**祐樹**』直後のお話です□
車内は重苦しい空気に包まれている。
誰も喋らない車内は別に珍しい事じゃない…が、今日はいつもの静寂じゃない。
いつ爆発するか分からないような緊張感に包まれている。
ハンドルを握る俺の手は、緊張でかいた汗で湿っていた。
今は『BLUE MOON』を出て事務所に帰るところだ。
今さっき聞いたリョウの話は最悪だった。
関係のない俺でさえ、その話に吐き気がした。
…レイプ…
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