第Ⅰ章 第3話

私とフレデリックはギルドホームの大ホールに向かった。


ホールの扉を開けると「おはよう、アルバート、フレデリック」

ホールにはフレデリックの兄・アルフレッドが挨拶をした。


「あれ?アルフレッドだけ?エリスとマナフレア、それとヴァイオレットは?」

私はそう聞いた。


「ああ。エリスとマナフレアは何時もの事だろう?ヴァイオレットはキッチンに居る筈だが?」

アルフレッドはそう答えた。


「ああ、分かった。アルフレッド、悪いんだけど、エリスとマナフレアを起こしてきてくれる?多分、厄介な事に巻き込まれそうな気がするから・・・フレデリックは、先程の書簡を出して置いて欲しい。・・・それとキッチンの様子を見に行って来てくれるかい?」

僕は、二人に指示を出した。


「了解」

「承知致しました」

二人はテキパキと私の指示で動き出した。


私はフレデリックに渡された書簡を丁寧に開けた。


そこには便箋が綺麗に畳まれていた。

そこに書かれていたのは、「本日、時間がある時にギルド本部に来て頂きたい。依頼したい事があるので リーベル」

と書かれていた。


如何やら、私が予想していた通り、厄介な案件に巻き込まれる可能性が出て来た。


リーベルとはギルド本部のギルドマスターであるリーベル・ヴィルヘルムの事である。

私とフレデリック、アルフレッドは彼とは長い縁がある。

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