第65話

「…ナンパ?」




眉を歪めるあたしに、金髪は嬉しそうに首を縦に振った。




「そうとも言うかも」




くだらない。

知り合いじゃないじゃん。




不機嫌になりながらマンションに向かってまた歩き出す。




「ちょっと待ってよ!」




後ろから聞こえてくる声も無視。




もうっ

なんなのっ!

知り合いだと思って立ち止まっちゃったし!!!




頭の中で悪態をつきながら歩くあたしの横に、追いかけてきた金髪が並んだ。

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