第54話
動き回っていた暁人を向かいのソファーに座らせてから口を開く。
「…どこで聞いたか知らねぇが、その噂は嘘だぞ?」
そう言った俺に一瞬暁人はきょとんとした顔をしたあと、驚いた声を出した。
「は?嘘!?
…じゃあ、年上で美人な女はいねぇのか?」
ガッカリした顔をした暁人を内心笑いながらも、無表情で口を開く。
「いねぇよ」
俺の言葉に目に見えてテンションを下げた暁人が背もたれに寄りかかった。
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