第45話

その言葉に苦々しい思いがこみ上げ、舌打ちした。




「今はまだ噂の域を超していませんが、いつまでも隠し通せるとは思いません」




「…そうか」




出来るだけアイツの存在は知られたくなかった。




俺のいる世界は味方より敵の方がはるかに多い所だ。

俺に恨みを抱く奴がイズミに目を付けないとも限らない。




それに今は




「木原組とはどうなってる?」




俺の問いかけに一路は顔を歪めた。




「良くないですね。若い衆を抑えとくので精一杯の状態です」

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