第10話

たしかに存在感はあるし、周りを威圧するような空気も持ってると思う。

それでも、あたしには優しいし、心がある温かい人。




「イズミは最初からあの人を恐がらなかったのか?」




「恐いっていうか、なんかゾクゾクしたかも。だけど恐怖とかじゃなかったな」




もっと胸がドキドキするような気持ちだった。

興味もあったと思う。

ファミレスの窓から外を見る祐樹を見ながら、いつもどんな人なんだろうと想像してた。




「…懐かしいな」




もしかしたらあたしは、あの時祐樹に一目惚れしてたのかもしれない。

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