第3話
視線を車に向けると、助手席の窓が下がっていき、運転席にいた翔が中から顔を出した。
「姐さん、乗ってください」
「…どうしたの?」
「お迎えにあがりました」
…………。
「早く乗って下さい」
急かされて渋々後部座席の扉を開く。
車内に滑り込むと真っ黒なスモークの貼られている扉を素早く閉めた。
車内を見回すと期待していた人物は乗っておらず、少しがっかりする。
ミラー越しにそんなあたしを見ていた翔が口を開いた。
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