第Ⅰ章 第14話

マグノリアの市街地の木の陰に悪意を向ける存在がいた。


「あ・・・危なかった。あの女・・・《精霊契約不適合者》の筈だろう?あのお方が気に掛ける程の人間じゃ無い筈だと思うのだが・・・?」

蒼蝶の視線を感じた際に慌てて、木の陰に姿を消した男はそう言った。


「ええ、確かにその筈ですわ」

謎の女はそう答えた。


「あの女は《精霊契約不適合者》だ。だが・・・あの女は、精霊契約者にしか与えられていない筈の精霊の加護と祝福を得ている。しかも、あの女を守護している精霊は我々では手に負えない程の精霊だ。


それに厄介な事にあの女に精霊の加護と祝福を与えているのは普通の精霊じゃない。精霊の中でも最強の精霊王だ。しかも、それが二体となるとかなり厄介な存在だ。


二体の精霊王が覚醒すれば、此方の目的は確実に失敗するし、しくじる。その前にあの女を確実に殺さねばならない・・・・。

それが例え、精霊に愛され、精霊王に祝福された存在でもな」

二人とは明らかに違う凛とした声の人物はそう答えた。


「「了解」」

二人の人物はそう答えた。

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