始まりと絶望

第0章 第2話

左京家では、子供がある程度、成長したら精霊と契約出来るかの選定を受ける。


精霊と契約出来る子供は、親から寵愛を受ける。

・・・だが、万が一にも精霊と契約出来ない《精霊契約不適合者》が生まれてしまった場合、その子供は親から寵愛を受ける事無く、幼い頃から差別と冷遇の中で生きなければならないのだ。


《精霊契約不適合者》の子供が生まれた家は、呪われるなどと言う迷信が信じられている。

その迷信は今でも信じられていて、親が《精霊契約不適合者》の子供を虐げる事も、子供を捨てる事もこの世界では平気であるのだ。


それは私の身の上でも起きた事だ。



「この子は精霊と契約が出来ない《精霊契約不適合者》です」

左京家のリビングルームで、教会の司祭様はそう宣言した。


私はこの選定を受けて不思議と納得出来た。

だが・・・私は精霊契約は出来ない・・・だが、私は生まれてからずっと何かしらの存在を感じていた。


多分、それは精霊か何かなのだろうと納得していた。


だが・・・両親はその結果を受け、急に態度を変えた。


「この子は《精霊契約不適合者》だ。隔離しろ!


・・・だが、本来なら《精霊契約不適合者》がいるこの家は呪われると言われるだろう。


・・・だが、蒼蝶には利用価値がある。捨てるのも惜しい。蒼蝶はこの家で奴隷の様に働かせればいい」

父親はそう言った。



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