始まりと絶望
第0章 第2話
左京家では、子供がある程度、成長したら精霊と契約出来るかの選定を受ける。
精霊と契約出来る子供は、親から寵愛を受ける。
・・・だが、万が一にも精霊と契約出来ない《精霊契約不適合者》が生まれてしまった場合、その子供は親から寵愛を受ける事無く、幼い頃から差別と冷遇の中で生きなければならないのだ。
《精霊契約不適合者》の子供が生まれた家は、呪われるなどと言う迷信が信じられている。
その迷信は今でも信じられていて、親が《精霊契約不適合者》の子供を虐げる事も、子供を捨てる事もこの世界では平気であるのだ。
それは私の身の上でも起きた事だ。
「この子は精霊と契約が出来ない《精霊契約不適合者》です」
左京家のリビングルームで、教会の司祭様はそう宣言した。
私はこの選定を受けて不思議と納得出来た。
だが・・・私は精霊契約は出来ない・・・だが、私は生まれてからずっと何かしらの存在を感じていた。
多分、それは精霊か何かなのだろうと納得していた。
だが・・・両親はその結果を受け、急に態度を変えた。
「この子は《精霊契約不適合者》だ。隔離しろ!
・・・だが、本来なら《精霊契約不適合者》がいるこの家は呪われると言われるだろう。
・・・だが、蒼蝶には利用価値がある。捨てるのも惜しい。蒼蝶はこの家で奴隷の様に働かせればいい」
父親はそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます