第73話

低い笑い声が響いた。



あたしは心臓をドキドキさせながらも、なんとか口を開く。



「……ありがとう」



「どういたしまして」



余裕を見せつけるように大人な笑みを見せる。



そんな壱星にあたしも近付いて行った。



風に流されて来る煙草の匂いを感じながら隣に立つ。



しばらくして、



無言で煙草を吸っていた壱星が口を開いた。

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