第72話

「誕生日、だったんだってな。少し前に」



車のボンネットに寄りかかるように足を組んで、口にくわえた煙草に火を付けながら言った。



「……プレゼント?」



「まあな、さっきの雑貨屋で買ったやつだから、そんなに高いもんじゃないが……」



その声を聞きながらそのネックレスをよく見てみると、チェーンの先に付いているのは、羽を広げた翼だった。



「ツバサにピッタリ……だろ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る