第67話

「行かないよ」



だって、用なんて無いし。



それよりも壱星の声の鋭さに驚いた。

……表情にも。



「ならいい」



壱星は肩を竦めて視線を逸らした。



「東京に住んでたならわかると思うが、ああ言う場所は治安が悪いからな。ツバサは行くなよな」



その言葉には軽い口調ながらも、有無を言わせぬ響きが込められていた。



あたしは首を縦に振った。

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