第65話

それもこんなにあたしをドキドキさせる男と。



気怠げに見える動作には、なのに弱々しさは感じさせない。



キッチリと着込んだスーツと、その気怠げな仕草が、ミスマッチの癖に魅力的だった。



レストランにいる女性客がチラチラと視線を向けてくるのもわかる気がした。




「東京が地元か。ならここはど田舎に思えるんだろうな」



運ばれてきた料理を口に運びながら壱星が言った。



「そんなことないかな。あたしはけっこう気に入ってるし」

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