第64話

車から降りて、その建物に向かいながら声をこぼすあたしに、



「雑貨屋とケーキ屋も入ってるんだ」



その訳を説明してくれた。



壱星に続いてテーブルに案内されながら、あたしの鼓動は跳ねていた。



だって、これはデートでしょ?

身内とならあるけど、気になってる異性と来るなんて初めてだしね。



窓際の席に腰を下ろし、メニューを開きながら、こっそりと壱星に視線を向けた。

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