第50話
今だってあたしを見つめるその視線が、獲物を前にした肉食獣のようで、その視線だけでも落ち着かない気持ちになった。
「よろしく」
低い声でそう言われ、あたしもなんとか返事を返す。
「うん。……よろしく」
前に座るカップルが満足げな顔をしているのが恥ずかしい。
こんなの、あたしらしくない。
そうは思ったが、こんな気持ちにさせる男に出会ったのは初めての経験だった。
そもそも、あたしらしいってどんなものよ?
そんな疑問が頭をよぎり、フッと内心笑った。
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