第30話

「早いわねー。あんなに小さかったツバサがもう二十歳だなんて……」



感傷深げな声に、あたしはため息を吐く。



「本当に驚くわ。あなたが大人の仲間入りなんて……。それもこんなに立派になって……。……一時はどうなるのかと心配したものよ」



これはおばあちゃんの口癖だ。



いや、おばあちゃんだけじゃない、みんなの口癖。



「あなたが歩けるようになってから一週間で、イズミと祐樹君がノイローゼになってたわ」

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