第9話

その言葉に機嫌を良くしたのか、晴香は嬉しそうに笑みを作って口を開いた。



「まあ、そっか。妥協はしたくないもんね」



「うん」



「いつかツバサにピッタリの人が見つかるよ。何だっけ、ツバサの理想って?確か……強くて、優しくて、一途で、えーと……」



「パパに怯えない人」



言いかけた晴香の言葉をあたしは引き取った。



晴香がブッと噴き出した。

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