第91話

「怖くないよ。格好良かったし」



あたしの笑顔にホッとした顔をした後、ギュッと抱きしめ返してきた。



「…あいつは二度と関わらない。もう大丈夫だ」



安心させるように体を揺らしながら言った。



「…ほんと?」



「ああ。少し脅しておいたからな。捕まりたくなければ大人しくするだろ」



その言葉に安心して、体から力が抜けた。



「…祐樹さん、ありがとう」



見上げながら言うと、祐樹さんはその口元をニヤリと上げた。



「お礼なら、キスでいいぜ?」



「……!?」

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