第77話

「…イズミはどうしたいんだ?」



「……別れたい…けど、シン君と会うのが怖い」



思い出して体を震わせると、腕が伸びて来て、あたしは祐樹さんに優しく抱きしめられていた。



大きな胸に頭を預けると、安心して泣きたくなった。



「……怖かった。いつも優しかったのに…急に怒り出して…」



「ああ」



返事をしながら優しく背中を撫でてくれる。



「…覚せい剤やってたの…。あたし、そんな事全然気づいてなかったっ」



泣くあたしを優しく宥めながら、祐樹さんが口を開いた。



「…怖いなら、俺が一緒に行って、話をつけてやる」

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