第66話

彼氏といるより、祐樹さんといる方が多いんじゃないかと思い始めた頃、シン君が覚せい剤に手を出している事に気が付いた。




その頃には、あたしはシン君への気持ちが、恋愛の好きじゃないことに気付いていて、覚せい剤の事を知った瞬間、別れを切り出した。




「別れよう」



シン君のアパートの部屋で、向かい合ったシン君に向かって言った。



「……なんで?」



切なそうな顔をしてこちらを見つめてくるシン君から視線を逸らしながら口を開く。




「薬とか、マジ無理だし…」



「もう止める。イズミが嫌がるなら」



なかなか受け入れてくれないシン君に、あたしは正直な気持ちを言った。

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