第38話

再会はあまりに突然で、とっさに逃げてしまった…




会いたいと思いながらも、会いたくないとも思ってた。




裏切った事で冷たい目で見られるのが、耐えられなかった




昔のあたしなら、きっと逃げなかっただろう…




…だけど




今のあたしはボロボロで、勇気もなかった。



祐樹に愛された事で出来ていた自信は、もう




どこにもない。




逃げたことはよかったのかもしれない…




こんなに変わってしまったあたしを、知られずに済んだのだから…




背中の虎が鳴く。




タクシーに揺られながら、16歳の頃の事を、



忘れられない思い出を、ゆっくり思い出した………

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