Ⅰ 東の京
悪夢
第3話
その部屋は真っ暗だった。
殴られた顔が火傷したみたいに熱い。
殴られた時切れた口の中は鉄の味がした。
「なぁ、俺の事好きだろう?別れるなんて言わないよな?」
声と同時に破れた服の胸元から手が入って来る。
汗ばんだ手。
「……や、やめてっ……嫌……っ」
それでも、手は止まらず、下半身に伸びた。
「やめてっ!やだぁっ」
精一杯の力で抵抗しても、男の力には敵うわけない。
それを思い知らされるたびに、心が諦めで冷たくなった。
ーーどうして…?
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