第19話 屋上前(視姦で感じて)
私が頷いたのを見て、冬はニコリと優しい笑みを浮べるのだから、色々と反則だ。
私の全てを受け入れるよって言ってくれてるみたいだし。
私を気持ち良くさせてあげるよって言ってるみたいだし。
冬に何かお返したいなぁとか思うけど、こんな格好になっている時点で
「こんな格好をして、冬の意地悪に悦んでくれる女の子っていないでしょ?」
って思うと、お互いにお互いを受け入れるのかなぁとも思ったり。
もう私と冬とは、こうなる運命だったんだと思う事にする。
お互いがお互いを必要としている関係って素敵だと思うし。
もっとも、性癖を満たすためにって理由はどうなんだろう?
とは思うけど、仕方ないじゃない。大事な要素の1つだよね。
男らしい冬の腕に胸を押し付け、肩に顔を埋めて思いっきり甘えるようにして、
階段をゆっくりと昇っていく。
ようやく屋上の扉の前に到着。
二人並んで扉の前に立っても、私は冬の腕にしがみついたまま。
冬が扉に手を掛けて、ガチャガチャって音を響かせるけど、扉は一向に開く様子は見えない。
危険だからって屋上は基本的に自由に行けないから。
冬が屋上に行くって言った時も、カギはあいているのかなって思ったし、
冬の事だから何かあると思ってたんだけど……。
屋上で好きな人と一緒にご飯って、やっぱり憧れるじゃない?
もし、屋上に入れなかったら、イヤだなって思う。
不意に冬が私の顔を見て
「よしっ」
って言ってきて、何が「よし」なのか分からなくて。
キョトンとした顔をあげて、冬の顔を不思議そうに見る。
クスッと笑った冬が、私の頭に手を置いて、優しくポンと叩き
「分かんない?……今は、誰も居ないって事だろ?」
そっか。
そう言われると、やっぱり冬は誰にも見せたくないんだって思って、嬉しくなる。
「そ、そうだね」
でも、歯切れ悪く返事をしたのは、これから職員室に鍵を取りに行くって事?
って思ったから。
ところが、冬は困った素振りも見せずに
「んっ。ちょっとゴメン」
と、謝ってきて、そっと私の腕を自分の腕から離していく。
冬の温もりが―って思っていると、冬が座り込んで、ドアの横の下側にある、
小窓に両手を掛けて再び、ガチャガチャと音を響かせる。
と――ガタンと音が鳴って小窓が開く。
そこから風が舞い込んできて、思いっきりチアスカートがめくれあがり、
「あぁんっ、やぁっ、ん。え、えっちぃ……」
もう、ハートマークを撒き散らしたような甘い声が出てしまった。
座っている冬が下から、無防備で既に濡れている私のソコを見ては、
「瑞稀。可愛い」
バカっ。もう。すっごい恥ずかしいんだから。
スカートを手で抑えたい衝動に駆られるけど、スカートをはためかせたまま、
顔を反らして
「ま、まさか、ここで付けるの?」
期待感を滲ませた声音で、つい、尋ねてた。
冬はそれは考えていなかったみたいで、目をパチクリと見開き
そして、ゆっくりと目を細めて笑みに変わり
「ん。いいね。そうしようか。まさかのまさかでさ」
って、冬は相変わらず気楽に言うけど、言われた私は心臓がバクバク状態。
不意打ちもかなりアレだけど、こんな風に改めて言われるのも、照れるというか……。
今ここで恥ずかしい場所に唇を押し付けられて、強く吸い付かれる事を想像すると、太腿が勝手にモゾモゾと動いてしまう。
風が吹き込んでなくても、今の姿勢では、冬からは見えちゃうんだけど、
スカートがめくれあがるのって、凄く恥ずかしいんだよね。
その状態で、スカートの中にっていうか……、ソコに顔を近づけられるわけで。
でも、この機会を逃したら、こんなシチュエーションってそうそうないよね。
って思うと、顔を手で隠しながら、やっぱりコクンって頷いて、肯定してしまう。
ううっ……私の奥底が冬に1枚1枚、服を脱がされていくように、暴かれていくようで、それすらも気持ちが昂ってしまう。
冬が悪戯な笑みを浮べて私の顔を見上げてくるのを、指の隙間から見ると、小窓を正面にして、扉の逆の壁に背を預けて脚を伸ばして座り、手招きしてくる。
えっ?んと……まさか、跨れと?
聞き返す事はしないで、脚を開いて
ちょこちょこと冬の伸ばした足を挟んで歩き、徐々に私のソコが冬の真上になる位置に。
ダメだ。これ。ヤバイです。
腰が勝手にうねるし、太腿を擦り合わせようと動くけど、そんなの足を内股にして、太腿をピクピクさせて感じていますってアピールしているようなモノじゃん。
私は壁に手を突いて、冬の顔を真上に跨っている姿勢。
もう、恥ずかし過ぎて、俯く事もできずに、ソワソワと落ち着かなくて。
視線が左右にゆらゆらと泳ぐ。
瞳が潤んでいるのが、分かって準備万端、いつでもOKと言ってるみたいで、
私のどこを切り取っても、恥ずかしいと期待してる感しかない感じ。
冬の視線を真下から感じるから、余計に……ね。
また『ひくひくしてる』とか言われたら、それだけで足から力が抜けそう。
チアスカートも揺れては、ふわりとめくれ、私のポニーテールも大きく揺れる。
冬のふわっとした髪の毛もゆらめいているのか、脚の内側になぞるように触れてくるから
「んんぅ、はぁっ、あぁんっ」
私の声が響き渡り、冬は何もしていないのに、そんな声を出している私自信に呆れてしまうけど、その甘い刺激に耐えれないくらいになっているって事――。
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