第二章◆未来へ続く道

第28話

2029年、10月15日。

今日は月曜日。


今後の治療法などを、担当医師と話す日。

今日も私は両親と共に、病院へと向かった。

病院に着き、軽い診察を終え、本題に入る。


説明の内容としては、病気の現状や治療法などについてより、コールドスリープの説明がほとんどだった。

コールドスリープ中はその人がいなくなってしまうような事になるため、様々な手続きや申請、いろいろな準備が必要になるらしい。

だから通常は、入院まで最低でも一ヶ月は準備期間があるんだとか。


…私の場合は病状が思わしくなく、少しでも病気が進行していない状態での処置が望ましいとのこと。

なので入院は一週間後の22日、コールドスリープの処置は25日にすることになった。


コールドスリープ当日は、特別な処置室でカプセルのような機械…細胞を壊さない冷凍装置に入り、瞬間的に冷凍処置が施される…とか。


これ自体は痛みもなく、一瞬らしい。


…そしてわたしは眠るだけ。

周りの変化や、状況に流されず、眠るだけ。


…ただ、二年後の未来での目覚めに向けて。



私の病気が難病である上、もともと危険度の高い処置方法。

きちんとリスクを承知した上で、処置と治療を依頼する…というような内容の誓約書みたいなのにサインをした。


あと十日。


未来へと向かう私に残された、現在でのわずかな時間。

びくびく怯え、後ろ向きで過ごしたらもったいない。

だから大切に使わなきゃね。

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