第84話
「ありがとう、大事にするからね。約束するよ、俺さ、これからもずっとずっと綾音を守り続けていくから」
「……はい」
見つめ合い、微笑み合いながら、ゆっくりとした時間が過ぎる。
話しながら、お互いテーブルに置いた手が、少し触れた。
私の右手と、翔瑠さんの左手。
手を繋ぎたいけど恥ずかしいから、そっと小指を繋げてみた。
指が繋がっただけで、こんなに胸が苦しくなるんだ。
目を見るって、こんなにドキドキすることだったんだ。
私だけを守り続けてくれるだなんて、本当に本当に嬉しい。
さっきまであった細かな不安は消え去って、幸せのカケラへと昇華する。
私はこんなに幸せです。
翔瑠さん、これからよろしくお願いします。
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